Thursday, November 11, 2010

音声送信の技術の説明 Part 3

[ 2 ] 196070年代のV2K

「人間が電磁波を聴くことができる」。これは1961年、アレンフレイによって発表された。フレイは色々な実験をした。その結果、マイクロ波をパルス波にすることが、電磁波を聴くことにとって重要だと発見した。連続波では音を聞くことは出来ない。 

また、この実験の被験者は、耳栓をすると周りの雑音が小さくなるので、かえって電磁波の音がはっきり聞こえたと言う。(周りの雑音が多いと電磁波の音が聞こえずらいのは、マスキング効果のためで、周りの音が大きいと喋り声が聞こえなくなる状態と同じ) 

フレイの電磁波によって声を聴かせる実験は、ほぼ全ての被験者で成功したが、 中には電磁波の音が聞こえなかった人もいた。通常、人が可聴な音波の周波数帯域は20Hz2000Hzだと言われているが、電磁波の音が聞こえなかった人は、500Hz以上の音波を聴くことに傷害のある人々だった。逆に、通常の生活において全く音が聞こえない人には、電磁波の音が聞こえたのである。これは、鼓膜を通す音波を聴いているのではなく、脳幹の聴覚神経で電磁波を感じて聴いていることを意味する

500Hz以上の音波を聴くことに傷害のある人が、実験中に電磁波の音が聞こえなかったのは、脳幹の聴覚神経のうち、500Hz以上の音を聞き取る機能に傷害があったと仮定できる。また、電磁波の音は聞こえたのに、通常の音波は全く聞こえないタイプの人は、鼓膜や蝸牛組織に傷害があったと仮定できる

その後1970年前半には、アーサーガイにより、モールス信号を何の受信装置もない状態で、脳だけで聞き取る実験に成功もしている。そしてこれらの技術が、現在の電磁波を使用したV2Kにつながる。(ここで説明したのは電磁波を使用した例であり、米アメリカンテクノロジー社の特許技術『ハイパーソニックサウンド』などは、これとは異なり、超音波を使用したV2Kである)